日本初のペイオフ発動、イオン銀行へ承継し消滅

日本振興銀行の破綻を受け、金融庁は同行に業務停止命令を下し「ペイオフ」を発動しました。ペイオフとは預金保険制度のことで、預金者の元本1000万円までとその利息を保証し破綻処理を進める仕組みのことです。ペイオフが発動されるのは、1971年に制度が創設されて初めてでした。

ペイオフの処理を進める預金保険機構によると、破綻時の預金者は12万6779人、残高は約5820億円に上りました。うちペイオフで保護されるものがおよそ5710億円で、一部カットの対象となる預金は全体の1.9%に相当する約110億円でした。2010年9月13日から一部の店舗で預金の払い戻しを受け付け、同月22日までに約453億円もの解約が申し込まれます。

日本振興銀行の事業は最終的にイオン銀行へ承継され、日本振興銀行は2012年9月10日に解散しました。鳴り物入りで開業した日本振興銀行は、10年にも満たない期間で幕を下ろします。

日本振興銀行は、債権買い取りに軸足を移し、しかも二重譲渡に巻き込まれるというやや特異なケースで破綻しました。他の一般的な銀行には当てはまらないことも多いでしょう。しかし、少なくとも「銀行が破綻する可能性はゼロではない」ということは覚えておきたいものです。