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IR(統合型リゾート)の整備が決定されて数年たちましたが、IRに対してよいイメージを持つ人は少ないかもしれません。もともとカジノに対する懸念があった上、現職(当時)の国会議員による汚職の疑いも発生したためです。元国会議員には、2021年9月7日に懲役4年の実刑判決が下されました。

ただし、カジノはIRの一端を担うに過ぎず、また汚職事件もIRの本質的なテーマとはいえません。冷静にIRを見つめるためにも、改めてIRとは何か概要を確認しましょう。また、現在のIR候補地についても解説します。

現職の国会議員に実刑判決。保釈金は1億円

IR汚職事件とは、IRに関連し元国会議員の秋元司氏が現職中に賄賂を受け取ったとされる事件です。中国企業から700万円以上の賄賂を受け取ったとし、東京地検特捜部が秋元氏を2019年12月25日に逮捕しました。

事件は贈収賄にとどまりませんでした。賄賂を受け取ったとされる秋元氏は3000万円を支払い保釈されますが、保釈中に贈賄側へ裁判でうその証言をするよう依頼した疑いがかけられました。東京地検特捜部は、組織犯罪処罰法の「証人等買収罪」にあたるとし、2020年8月20日に秋元氏を再び逮捕します。

組織犯罪処罰法は暴力団といった反社会的勢力などを想定したものでしたが、現職中の国会議員に適用される異例のケースとなりました。秋元氏が支払った保釈金3000万円は全額没収されます。

裁判は2021年3月29日から東京地方裁判所で始まり、秋元氏は無罪を主張しますが、同年9月7日に懲役4年と追徴金758万円の判決が言い渡されました。裁判では収賄と証人の買収のどちらも認められ、執行猶予が付かない重い量刑となります。

秋元氏は判決を不服とし、即日控訴しました。秋元氏は2021年6月から保釈金8000万円で保釈されていましたが、実刑判決に伴い効力を失ったため、2000万円を上乗せし計1億円で改めて保釈されています。