・世界の覇権を狙う中国、人民元が“世界の通貨”になる日は近い?

7月4日はアメリカにとって最も大切な記念日の1つ、独立記念日です。イギリスによる長年の植民地支配から独立し、“自由の国”アメリカが誕生しました。この日は多くの企業や政府機関が休業し、各地で独立を祝うパレードやパーティーが行われます。

世界の覇権を握るアメリカがいかにして誕生したか、その経緯を学びましょう。

独立機運を高めたボストンの2つの事件

アメリカ誕生の歴史を振り返る上で、ボストンを巡る2つの事件は避けて通れません。

1つは「ボストン虐殺事件」です。イギリス議会に代表を送れないにもかかわらず課税されることに、当時の入植者たちは強い不満を感じていました。イギリスに対抗する動きが活発になり、それに対するイギリスの支配も強まります。そして1770年3月、イギリスに反発したボストン市民の集団にイギリス軍が発砲し、5人が殺害されました。これがボストン虐殺事件の概要で、アメリカが独立に向かう大きなきっかけとされています。

もう1つは「ボストン茶会事件」です。イギリスは1773年に「茶条例(茶法)」を作り、当時のアメリカにおける紅茶の販売をイギリス東インド会社に独占させます。これに反発したボストン市民の一部が同年12月、ボストン港に停泊していた船に乗り込み、積み荷の紅茶を海に投げ捨てました。アメリカでコーヒーが飲まれるようになったのは、この事件がきっかけだといわれています。

これらの事件などを背景にイギリス側と当時のアメリカ側で緊張が高まり、1775年4月に両陣営は衝突しました。アメリカ独立戦争の始まりです。そして1776年7月4日、後に第3代大統領となるトーマス・ジェファーソンらが中心となり、アメリカの独立を宣言しました。7月8日には教科書にも載っている有名な独立宣言が読み上げられます。

【アメリカ独立宣言(抜粋)】
われわれは、以下の事実を自明のことと信じる。すなわち、全ての人間は生まれながらにして平等であり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられているということ。

出所:アメリカンセンタージャパン(米国大使館 広報・文化交流部)

独立宣言後も戦争は続き、一時はイギリス側が優勢となる場面もありました。しかしアメリカ側はフランスの支援も受け、1783年に独立を勝ち取ります。

独立に際しては激しく争いましたが、現在ではアメリカとイギリスは「特別な関係」ともいわれる強固なパートナーシップを築くに至りました。