・「世界トップ」の有名化粧品会社が破産の衝撃…“桁違い”の巨額負債

コロナ禍で最初に破綻した上場企業は「レナウン」です。破綻は2020年5月15日、第1回目の緊急事態宣言が東京都などを除く39県で解除された翌日のことでした。取引所はその日のうちにレナウンの上場廃止を決定します。

同年6月16日にレナウンは上場廃止となり、最後の株価はたった4円でした。今日はコロナ破綻第1号のレナウンを例に、上場廃止まで株式を売らずに保有し続けたらどうなるのかチェックしましょう。

100年企業がまさかの破産

レナウンは1902年に大阪で創業した大手アパレル企業でした。1972年に販売のライセンスを取得した「アーノルドパーマー」がヒットし大躍進を遂げます。1990年12月期には売上高2300億円を超える世界的なアパレル企業に育ちました。

しかし、バブル崩壊やファストファッションの台頭を受け業績が低迷。2010年から2013年にかけて中国資本を受け入れ一時回復しますが、その後再び業績は悪化し始めます。

そして2020年2月以降、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い売り上げは大幅に減少し、資金繰りに窮するようになりました。同年5月15日に子会社のレナウンエージェンシーが民事再生を申し立て、実質的な破綻を迎えます。

なお民事再生は企業再建を目指す手続きですが、レナウンは同年10月に民事再生を断念し、翌月から会社を清算する破産手続きに切り替えました。現在も破産手続きは進められており、今年9月に第4回目の債権者集会が開催される予定です。