欧州勢に後れをとった日本自動車メーカーもEV化に本腰

世界的な脱炭素化による電気自動車(EV)シフト、原油価格高騰によるガソリン価格の上昇、半導体不足による減産ー。自動車業界は激動の時代の真っただ中だ。昨今、自動車のEVシフトが声高に叫ばれているが、現時点ではインフラ、車種ともに充実しているとは言えない。大手自動車メーカーは、今後数年以降にEVモデルを本格的に投入し、2030年以降に市場が成熟化すると言われている。足元では、ガソリン車やハイブリッド車(HV)が新車販売の大多数を占めている中、環境・家計に優しいクルマをどう選ぶべきかを探っていく。

2020年10月に当時の菅義偉首相が、「2050年までに温室効果ガスの排出をトータルでゼロにし、カーボンニュートラルを実現する脱炭素社会を目指す」と宣言したことをきっかけに、国内では本格的な脱炭素化の流れが始まった。国内二酸化炭素(CO2)排出量のうち、18.6%(19年度)を占める運輸部門、とりわけ自動車業界が注目を浴びている。

そんな中、自動車メーカーもここ一年で相次いで新たなEV戦略を打ち出した。トヨタ自動車は2021年12月に30年の電気自動車(EV)の販売台数を350万台、EVに4兆円(電池投資は2兆円)を投資する計画を発表。日産自動車も21年11月に今後5年で電動車全体で約2兆円を投資し、30年度までに15車種のEVを投入すると発表している。ホンダは4月12日に今後10年間で自動車の電動化やソフトウエア領域の研究開発と設備投資に約5兆円を投じ、30年までに世界で30車種のEVを発売すると発表するなど、欧州勢と比べてEV化に遅れを取っていた日本勢が本腰を入れ始めた。