1兆円超えのインデックスファンドが初めて登場

「ついに」か、「ようやく」か――。「純資産残高1兆円」が日本の投資信託を語る上で重要なメルクマールとなっていることは、昨年7月の本連載(“1兆円ファンド”は今どうなった? その変遷に見る日本の投信トレンド)でも言及したが、その「1兆円ファンド」に初めてインデックスファンドが加わった。

筆者が調べたところ、追加型公募投資信託(ETFを除く。以下同)で、純資産残高が月末ベースで1兆円に到達したことがあるファンドは、今年2月末までで計16本あったが、今年3月に「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が17本目として歴史に名を刻んだ(下表参照)。

 

昨年7月の本連載でも、筆者は「積立で支持を集めている、いわゆる低コスト株式インデックスファンドについても、現在のペースで資金流入が続けば、そう遠くないうちに1兆円の大台が見えてきそうだ」と言及していたが、予想していたよりもはるかに早いペースで到達したというのが率直な感想である。

ちなみに同ファンドの月末ベースの純資産残高は、1兆円に到達する直前の今年2月末時点で追加型公募投資信託第2位に浮上している。QUICK資産運用研究所によると、月末ベースでインデックス型が2位になるのは、1998年1月末の「新インデックスファンド225」(2009年8月に償還済み)以来、約24年ぶりだという。参考までに、1998年1月末時点の「新インデックスファンド225」の残高は1513億円で、償還当時の運用会社は三菱UFJ国際投信の前身である三菱UFJ投信であったという事実も付け加えておく。