iDeCoのメリットはよくわかった。でも、何となく利用する気になれない、そんな人もいると思います。今回は、知っていれば安心、という内容を中心にお伝えします。

拠出の負担が大きいと感じた時、iDeCoの掛金を変更・停止はできる?

iDeCoは毎月、掛金を拠出し、その掛金すべてが税の優遇対象となる、という点がもっとも大きなメリットです。とはいえ、60歳までずっと拠出し続けなければならない、と思うと不安になる方もいるかもしれません。

iDeCoの掛金は、途中でやめることができますか? 答えは「YES」です。

毎月の掛金拠出の負担感が大きい場合、ご自身で手続きをすることで掛金を減額したり、ゼロ円にしたりすることができます。掛金額の変更のためには「加入者掛金額変更届」をiDeCoの受付金融機関に提出します。

ただし、iDeCoの掛金はひと月あたり5,000円以上が最低金額です。また、金額変更は1年間に1回のみと決まっていて、ひんぱんには変更できません。例えば1万円から5,000円に下げて、8,000円に上げる、といったことを1年の間にすることはできません。
※1年間:12月から翌年11月(納付月では1月から12月)

掛金額の停止の手続きと、銀行残高不足による停止

掛金の拠出自体をやめたい場合は、「加入者資格喪失届」を、iDeCoの受付金融機関に提出します。この時、「加入者資格喪失届」を提出しても、iDeCoの資産は60歳までは引き出すことはできません。掛金拠出をする「加入者」ではなくなりますが、資産の運用を続ける「運用指図者」になるためです。

また、運用指図者であっても手数料の支払いは続きます。手続き書類は「規約・届書様式|iDeCo公式サイト」に保管されていますが、注意事項などがあるので、iDeCoの受付金融機関に連絡してみましょう。
※事務委託手数料66円のほかに金融機関によっては独自の手数料が発生

ご自身に拠出の意思があったにもかかわらず、拠出できなかった、ということも発生します。個人払込を選択していて、掛金を引き落とすための銀行口座の残高が足りない場合です。逆にいうと、銀行口座の残高を引き落とし日(26日)の前に、掛金額以下にしておけば、掛金の引き落としは発生しません。

ご自身で行う手続きには1~2カ月ほどの時間がかかるため、緊急対応策としてお考えください。

年単位拠出で機動的な掛金設定も可能

2018年1月の法改正により、iDeCoの掛金拠出を年単位で計画することも可能となりました。例えば、1~5月などの通常月は5,000円、ボーナス月の6月は多めに払う、といったことも可能になっています。

もしくは1年に1回だけ拠出する、など能動的に掛金拠出を行うことができます。
しかし、「年単位拠出」はあらかじめ計画を立てて掛金額を申し込む必要があり、あまり普及していないのも事実です。実際に年単位拠出を実施しているiDeCo加入者は全体の3%ほどです。

なお、10月の法改正で可能になる企業型DCとの同時加入の場合、年単位拠出は活用できませんのでご注意ください。