FPとして仕事をしていると「給付金を受け取れなくなるから」「税金が増えるから」などの理由で、収入を制限している人の声を聞くことがあります。しかし、収入を上げることで増える負担はいくらか、あるいは、いくら収入を上げると給付金が支給されなくなるのか、質問すると明確な回答は返ってきません。回答があっても勘違いをされていることがほとんどです。

今回のご相談者の佐藤貴明さん(仮名)も、児童手当をもらえなくなるという理由で、収入を制限していました。そして、その結果、家計が悪化し、不正にまで手を染めてしまったのです。どのような家計状況でどのような不正を行ったのか、詳しくお伝えしましょう。

佐藤貴明さん プロフィール
・40代
・会社員(経理を担当)
・年収650万円(手取り約500万円)
―月の手取り33万円+ボーナス50万×2回
・妻、子ども3人(小学生、中学生、高校生)の4人家族