約2年半でJALを再上場させた京セラ創業者「稲盛氏」

「日本航空って上場しているのでは?」と思った方、その通りです。上場しているどころか、日本航空は時価総額9500億円超の大型株で、同業の「ANAホールディングス」(同1兆1600億円)に迫っています。

【日本の空運株の時価総額】
・日本航空:9590.9億円
・ANAホールディングス:1兆1601.3億円
・スターフライヤー:77.5億円

※2022年1月11日終値時点

現在の日本航空株式は2012年9月19日に上場しました。経営破綻から2年8カ月のスピード再上場を果たせたのは、破綻の翌月に日本航空の会長に就任した稲盛和夫氏の功績が大きいといわれています。

稲盛氏は日本を代表する経営者です。1959年に27歳の若さで「京都セラミック(現京セラ)」を設立し、1984年には「第二電電企画(現KDDI)」を設立しました。どちらも大きな上場企業で、両社の時価総額の合計は約11兆円にも上ります。

【京セラ・KDDIの時価総額】
・京セラ:2兆7154.6億円
・KDDI:8兆2789.2億円

※2022年1月11日終値時点

稲盛氏は日本航空の破綻時、当時の鳩山由紀夫首相に要請され日本航空の最高経営責任者に就任しました。稲盛氏は京セラで培った独自の経営哲学と経営管理手法を持ち込み、日本航空の業績はV字回復を果たします。破綻前の最後の決算(2010年3月期第2四半期)では1300億円を超える最終赤字を計上していましたが、再上場直前の2012年3月期には1860億円を超える純利益を稼ぎ出しました。

稲盛氏の手腕なくしてこれほどの急回復はなかったでしょう。