2021年11月、広島銀行で多くの資金を集めたのは以下のファンドだった。

第1位「脱炭素関連世界株式戦略ファンド(資産成長型)」の概況
広島銀行の11月販売件数ランキング1位は、「脱炭素関連世界株式戦略ファンド(資産成長型)」だった。同ファンドは、温暖化ガスの排出量削減に向けた技術開発に熱心な企業へ投資するアクティブファンドである。10月末時点における騰落率は、以下の通り。
1カ月 8.33%
3カ月 11.46%
設定来(2021年5月) 19.11%
同ファンドの純資産残高は、12月14日時点で1,169.40億円と、1,000億円を超えている。また、同ファンドは約半分が中小型株で、地域別比率では米国が30%程度。アイルランド13.48%、オランダ9.31%、フランス6.74%など環境問題に積極的に取り組んでいる国の比率が高い。米国の大型株に投資するファンドが人気だが、同ファンドもあわせて購入すれば、分散効果によるリスク軽減が期待できるのだ。半年で純資産残高が1,000億円を超えたことや、設定来のパフォーマンスも好調なことから、12月も広島銀行のランキング上位に入る可能性は高いだろう。
全体を見て:バランスファンドが人気
広島銀行では、バランスファンドの人気が高い。3位の「グローバルESGバランスファンド(為替ヘッジなし)年2回決算型」は、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点から銘柄を選定し、株式、債券、REIT(不動産投資信託)の3資産に分散投資するバランスファンドである。ESGへの取り組みで評価の高い企業は、企業価値が向上しやすいだけでなく、潜在的な不祥事のリスクが軽減されるので、投資リターンの向上が期待できる。同ファンドの11月末時点における騰落率は、以下の通り。
1カ月 -0.9%
3カ月 3.2%
6カ月 7.5%
1年 21.1%
同ファンドはバランスファンドであるが、1年で21.1%と高いリターンになっている。債券は米ドル建ての社債と米ドル建ての新興国国債、株式は世界各国の小型成長企業、REITは世界各国の成長力の高いREITに投資しているので、比較的高いリターンが期待できるのだ。好調なパフォーマンスなので、12月以降も広島銀行のランキング上位に入る可能性は高いだろう。