2021年11月の1カ月、ネット証券大手4社ではそれぞれ以下のファンドが資金を集めた。

 

4社共通の傾向:「S&P500種株価指数」を対象にしたインデックスファンドが人気

11月のネット証券ランキングでは、S&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドの人気が高かった。SBI証券では1位と2位、楽天証券では1位、auカブコム証券では2位、マネックス証券では1位と6位がS&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドとなっている。11月のS&P500種株価指数は、22日に4,743.83ポイントまで上昇し、過去最高値を更新した。しかし、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン型」の感染拡大や米国の金融政策正常化前倒しに対する警戒から、11月後半から下落に転じている。S&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドの人気は継続する可能性が高いと考えているが、旺盛な資金流入が続くかどうかに注目している。

全体を見て:日本株を対象にしたブル型ファンドが人気

ネット証券では、日本株を対象にしたブル型ファンドも人気だ。とくに「楽天日本株4.3倍ブル」と、「SBI 日本株4.3倍ブル」の人気が高い。ネット証券では信用取引などで積極的にリスクを取る投資家も多く、通常のインデックスファンドよりも高い利益が狙えるブル型ファンドを購入する顧客が多いのだろう。ただ、4.3倍と高いレバレッジをかけているファンドが人気なので、日本株が下落したときの損失も大きくなる。また、保有コストである信託報酬がインデックスファンドよりも高く、もみあいでも基準価額が下落するというデメリットがある。ブル型ファンドは長期での保有に適していないので、あくまでも短期のリバウンド狙いで購入すべきである。