2021年10月の1カ月、ネット証券大手4社ではそれぞれ以下のファンドが資金を集めた。

 

4社共通の傾向:10月もS&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドが人気 

ネット証券では、10月もS&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドが人気だった。各社の状況は、以下の通り。

SBI証券
1位 SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
3位 eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

楽天証券
1位 eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

マネックス証券
2位 eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
4位 SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

auカブコム証券
1位 eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

 S&P500種株価指数は米国を代表する株価指数で、ニューヨーク市場の時価総額の約75%をカバーしている。そして、NYダウよりも市場全体の値動きを表す指標として、機関投資家にも利用されている株価指数である。10月は7~9月期の決算発表が本格化したが、市場予想を上回る企業が多く、株価は上昇。S&P500種株価指数も10月29日に4,605.38ポイントで終了し、過去最高値を更新して取引を終了した。好調なパフォーマンスを背景に、11月もネット証券のランキング上位にS&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドが入る可能性は高いだろう。

全体を見て:日本株では4.3倍ブルが人気

日本株を対象にしたファンドでは、日経平均株価などの指数に連動するインデックスファンドよりも、ブル型ファンドの人気が高い。ネット証券では信用取引などを利用して積極的にリスクを取る投資家が多く、投資信託においてもより高いリターンが狙えるブル型ファンドを選択していると考えられる。日経平均株価は9月14日に30,795.78円の年初来高値をつけたが、その後は下落。10月6日には27,293.62円まで下落している。ただ、下落局面でもリバウンド狙いの買いが入ったと考えられる。11月に入り、日経平均株価はふたたび3万円をうかがう展開になっているが、ブル型ファンドへ高水準の資金流入が続くかどうかに注目だ。