
資金流入額トップ(6カ月累計)は「グローバル・ エクスポネンシャル・ イノベーション・ファンド」
2021年4~9月の6カ月の資金流入額トップは、「グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンド」だった。同ファンドは4月26日に運用を始め、当初設定額が2,860億円となって話題を集めた。2021年最大かつ歴代3番目の大きさだったからだ。
同ファンドは世界の株式の中から、地球規模での社会課題解決に寄与すると期待されるイノベーション関連企業に投資するアクティブファンド。2021年9月末時点における組入上位銘柄は、以下の通り。
1.テスラ(米国) 9.5%
2.スクエア(米国) 7.0%
3.コインベース・グローバル(米国) 3.7%
4.テラドック・ヘルス(米国) 3.6%
5.シー(台湾) 3.2%
そして、9月末時点における騰落率は、以下の通り。
1カ月 -7.41%
3カ月 -9.63%
設定来 -6.47%
同ファンドの国・地域別組入比率では、米国が82.0%と最大となっている。9月の米国株式市場はインフレ懸念による米長期金利上昇から上値の重い展開となった。そして、同ファンドの騰落率もマイナスになっている。そして、10月の米国株式市場も前半は上値の重い展開だったが、中旬以降は上昇に転じてきている。10月も同ファンドに高水準の資金流入が続くかどうかに注目だ。
資金流出額1位(6カ月累計)は「次世代通信関連世界株式戦略ファンド」
4~9月の資金流出額トップは、「次世代通信関連世界株式戦略ファンド」だった。同ファンドは、世界の次世代通信関連企業に投資するアクティブファンドである。次世代通信関連企業とは、通信技術の発展によって業績面で恩恵を受ける企業のことである。同ファンドの9月末時点における組入上位銘柄は、以下の通り。
1.ユナイテッド・マイクロエレクトロニクス(台湾) 3.99%
2.キーサイト・テクノロジーズ(米国) 3.85%
3.マーベル・テクノロジー(米国) 3.52%
4.アドバンテスト(日本) 3.45%
5.アナログ・デバイゼズ(米国) 3.43%
そして、9月末時点における騰落率は、以下の通り。
1カ月 -2.53%
3カ月 -3.61%
6カ月 6.41%
1年 32.71%
同ファンドは「5G」が注目を集めた2019年末から2020年にかけて販売を伸ばしたファンドだ。直近のパフォーマンスは冴えないものの、2020年3月のコロナショック以降に基準価額が大きく上昇している。その結果、利益確定の売りが増えていると考えられる。また、同ファンドのようなテーマ型ファンドは、旬の時期を過ぎると解約がでる傾向がある。最近はESG(環境・社会・ガバナンス)関連ファンドへの関心が高まっており、同ファンドを売却し、ESG関連ファンドを購入する動きも出てきていると考えている。しばらく、同ファンドからの資金流出が続く可能性は高いだろう。