2021年9月、SMBC日興証券で多くの資金を集めたのは以下のファンドだった。

第1位「グローバルAIファンド(予想分配金提示型)」の概要
SMBC日興證券の9月買付金額1位は、「グローバルAIファンド(予想分配金提示型)」だった。同ファンドは、世界の上場株式の中から、AI(人工知能)の進化・応用によって高い成長が期待できる企業の株式に投資するアクティブファンドである。8月末時点における同ファンドの騰落率は、以下の通り。
1カ月 1.1%
3カ月 6.4%
6カ月 9.1%
1年 50.9%
そして、以下のように基準価額に応じて分配金が変わる予想分配金提示型で、8月も500円と高い分配金をだしている。
11,000円以下 基準価額の水準等を勘案して決定
11,000~12,000円 200円
12,000~13,000円 300円
13,000~14,000円 400円
14,000円以上 500円
ただ、9月中旬以降はインフレ懸念による米長期金利上昇によって、同ファンドが投資する成長株は上値の重い展開になっている。10月8日時点の同ファンドの基準価額も13,281円と14,000円を下回る水準まで下落しているが、10月もSMBC日興証券のランキング上位に入るかどうかに注目だ。
全体を見て:債券を対象にしたファンドが3つランクイン
債券を対象にしたファンドが3つランクインしている(3位、7位、8位)。9月中旬以降、インフレ懸念による米長期金利上昇より米国株式市場の上値が重くなり、より確実な利益が期待できる債券ファンドに資金が向かったと考えられる。3位の「マニュライフ・円ハイブリッド債券インカム・ファンド(年1回決算型)」は、主に相対的に高い利回りが期待できる日本企業が発行する円建てのハイブリッド債券に投資する。ハイブリッド債とは劣後債のことで、一般の債権者よりも債務弁済順位が低く、格付けも普通社債と比べて低い傾向にある。ただ、利回りが比較的高いというメリットがあるのだ。同ファンドの8月末時点における騰落率は、以下の通り。
1カ月 0.13%
3カ月 0.65%
6カ月 1.56%
1年 3.77%
株式市場での不安心理が高まるほど、同ファンドのような債券ファンドに資金が流れる傾向がある。10月以降もSMBC日興証券のランキング上位に入る可能性は高いだろう。