2021年9月第4週、大和証券で多くの資金を集めたのは以下のファンドだった。

第1位「まるごとひふみ15」の概要
大和証券の9月第4週買付金額1位は、「まるごとひふみ15」だった。同ファンドはファンド・オブ・ファンズ方式(直接債券や株式に投資するのではなく、複数の投資信託で運用するファンド)で運用を行うバランスファンド。そして、資産配分比率がおおむね債券85%、株式15%の比率となるように調整する。比較的値動きの小さい債券を多めに組み入れることで、安定した収益の確保を目指すファンドなのだ。そして、8月末時点における騰落率は、以下の通り。
1カ月 0.44%
3カ月 1.94%
株式市場はインフレ懸念による長期金利上昇により、9月中旬から上値の重い展開になっている。年内の弱気の見方も増えているなか、安定的な収益が期待できる同ファンドに大和証券の顧客の関心が向かったと考えられる。債券比率が高いので、株式市場が軟調なときほど同ファンドへの関心は高まるだろう。10月以降も大和証券の買付金額ランキング上位に入るかどうかに注目だ。
全体を見て:海外株式に投資するファンドが人気
大和証券では、9月も海外株式に投資するファンドの人気が高かった。3位の「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は、米国の成長株に投資するアクティブファンド。8月末時点における騰落率は、以下の通り。
1カ月 2.6%
3カ月 12.9%
6カ月 29.4%
1年 35.2%
アルファベット(グーグルの親会社)やマイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなど米国のIT・成長株に分散投資できる点や好調なパフォーマンスを背景に、同ファンドには資金流入が続いている。そして、8月の純資産残高は1兆2,540億円で、国内公募の追加型株式投資信託(ETF)の中で首位になっているのだ。ただ、米国株はインフレ懸念による米長期金利上昇より9月中旬以降、上値の重い展開が続いている。とくに同ファンドが投資するIT・成長株はPER(株価収益率)が高く、相対的な割高感が意識されやすい。今後も同ファンドに高水準の資金流入が続くかどうかに注目している。