資金流入額トップ(6カ月累計)は「グローバル・ エクスポネンシャル・ イノベーション・ファンド」

 

2021年3~8月の資金流入額トップは、「グローバル・ エクスポネンシャル・ イノベーション・ファンド」だった。同ファンドは、日本を含む世界の上場企業の中からSDGs(持続可能な開発目標)を社会課題としてとらえて銘柄を選定するアクティブファンドである。8月末時点における組入上位銘柄は、以下の通り。

1.テスラ 9.6%
2.スクエア 7.2%
3.シー 4.1%
4.テラドック・ヘルス 3.8%
5.コインベース・グローバル 3.4%

 そして、8月末時点における騰落率は、次のようになっている。

1カ月 3.24%
3カ月 9.90%
設定来  1.02%(2021年4月26日設定)

 同ファンドは4月26日の設定日残高が2,860億円と、過去3番目の大型設定となった。その後も資金流入は続き、8月末の純資産残高は4,967.74億円となっている。同ファンドは、銘柄選定において米国アーク社の助言を受けている。同社の「破壊的イノベーション企業」への投資は投資家の支持を集めており、今後も人気が継続する可能性は高いだろう。

 

資金流出額1位(6カ月累計)は「ティー・ロウ・プライス米国成長株式ファンド」

2021年3~8月の資金流出額トップは、「ティー・ロウ・プライス米国成長株式ファンド」だった、7月まで8カ月連続でトップだった「グローバル3倍3分法ファンド」は3位になった。「ティー・ロウ・プライス米国成長株式ファンド」は、個別企業分析に基づく「ボトム・アップ・アプローチ」によって、米国の成長株に投資するアクティブファンドである。アマゾン・ドット・コムやアルファベット(グーグルの親会社)、マイクロソフトなどのIT・ハイテク企業が組入上位銘柄となっている。そして、8月末時点におけるパフォーマンスも、以下のように好調だ。

1カ月 2.53%
3カ月 11.06%
6カ月 20.81%
1年  29.32%

 8月はナスダック総合株価指数が過去最高値を更新するなど、米国成長株は堅調な値動きだった。それでも同ファンドから資金流出が続いているということは、利益確定売りをだしている投資家が多いと考えられる。9月に入り、米国では年内のテーパリング(資産購入の縮小)懸念により株式市場の上値は重くなっているが、同ファンドからの資金流出が続くかどうかに注目だ。