2021年8月、三井住友信託銀行で多くの資金を集めたのは以下のファンドだった。

 

 第1位「ジパング企業債ファンド」の概要

三井住友信託銀行の8月販売額ランキング1位は、「ジパング企業債ファンド」だった。同ファンドは、日本企業や日本企業の海外子会社などの「ジパング企業」が発行する債券に投資するファンド。利回り向上のため、円建て債券だけでなく外貨建て債券にも投資する点が特徴である(ただし、外貨建て債券は原則として為替ヘッジを行う)。同ファンドの8月31日時点における騰落率は、以下の通り。

1カ月 0.20%
3カ月 1.72%
6カ月 2.71%
1年    3.07%

 2019年7月からの設定来騰落率も、6.15%と安定している。投資信託全体では海外株式型ファンドの人気が高いが、三井住友信託銀行では安定的な利回りが期待できるファンドへのニーズが高いのだろう。9月以降も、三井住友信託銀行のランキング上位に入るかどうかに注目だ。

 

全体を見て:REIT型ファンドが2つランクイン

三井住友信託銀行では、8月のランキング上位にREIT型ファンドが2つ入っている。8位の「シュローダー・グローバル・リートESGフォーカス・ファンド(資産成長型)」は5月25日に新規設定されたファンドで、組入銘柄の分析や評価にESG(環境・社会・ガバナンス)の観点を重視する国内初のリートファンドである。同ファンドの7月末時点における騰落率は、以下の通り。

1カ月 1.41%

設定来  5.77%

環境、とくに地球温暖化対策は国際社会の最優先課題の一つである。そして、不動産や建設業は世界の二酸化炭素排出量の多くを占めており、不動産投資こそESGの観点が必要といえるだろう。ESG投資に対する投資家の関心は高まっているが、同ファンドが9月以降も三井住友信託銀行のランキング上位に入るかどうかに注目だ。