2021年8月、三菱UFJ銀行で多くの資金を集めたのは以下のファンドだった。

 

第1位「ピクテ・マルチアセット・アロケーション・ファンド」の概要 

三菱UFJ銀行の8月販売額ランキング1位は、「ピクテ・マルチアセット・アロケーション・ファンド」だった。同ファンドは、国内外の債券や株式といった伝統的資産のほか、ヘッジファンドなどのオルタナティブ資産にも分散投資し、「負けない運用」を目指すファンドである。8月末時点における騰落率は、以下の通り。

1カ月 0.43%
3カ月 1.44%
6カ月 2.66%
1年    5.45%

 2013年12月の設定来騰落率も24.13%(年率2.84%)となっており、一度も基準価額が1万円を割り込んでいない。外国株式を対象にしたファンドに比べるとパフォーマンスは劣るものの、安定的な収益を狙いたいという顧客が、三菱UFJ銀行には多いと考えられる。9月以降も、同ファンドがランキング上位に入る可能性は高いだろう。

 

全体を見て:海外債券型ファンドの人気が高い

各金融機関のランキングを見ると、通常、海外株式型ファンドの人気が高い。しかし、三菱UFJ銀行では、海外株式型ファンドが2つしかランクインしていない。そして、海外債券型ファンドが3つランクインしているのが特徴的である。三菱UFJ銀行では、リスクを積極的に取るよりも、安定的な利益を求める顧客が多いと考えられる。3位の「アライアンス・バーンスタイン・グローバルESG・社債ファンド2021-09(限定追加型)」は、新興国を含む世界の社債に投資するファンドである。そして、社債の銘柄選定のときにESG(環境・社会・ガバナンス)評価を用いる点が特徴だ。債券にもリスクはあるが、株式に比べると安定的なパフォーマンスが期待できる。同ファンドの信託期間は2021年9月3日から2026年9月25日までの約5年間。どの程度の利回りが確保できるのかに注目している。