2021年8月の1カ月、ネット証券大手社ではそれぞれ以下のファンドが資金を集めた。

 

 4社共通の傾向:日本株のブル型・ベア型ファンドが人気

ネット証券の8月人気ファンドランキングでは、日本株のブル型・ベア型ファンドが上位に多かった。そして、ブル型ファンドは以前からランクインしていたが、ベア型ファンドが上位に入っていることが特徴的である。8月は中旬まで株価が軟調で、日経平均株価は20日に26,954.81円の年初来安値をつけた。しかし、その後は切り返し、8月は28,000円台を回復して取引を終了している。急落と急騰を繰り返したことにより、先行きに対しての見方が強弱分かれたのだろう。ただ、ブル型・ベア型ファンドはインデックスファンドに比べて手数料が高く、もみあいになっても損失になってしまう可能性が高いファンドである。あくまでも短期的なトレンドで利益をだすことを目的とするファンドで、長期での資産形成には向いていない。ブル型・ベア型ファンドは、資金の一部で運用するべきだ。

 

全体を見て:S&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドも人気

8月も、S&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドが人気だった。各ネット証券のランキングは、以下の通り。

SBI証券
1位  SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
3位  eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

楽天証券
1位   eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

マネックス証券
2位   eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
5位   SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

auカブコム証券
2位   eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は2019年9月26日に設定された低コストのインデックスファンドであるが、8月に純資産残高が3,000億円を突破した。S&P500種株価指数は、8月まで7カ月連続で上昇しており、上昇率は20%に達している。これは、NYダウの16%やナスダック総合株価指数の18%を上回っているのだ。今年になってS&P500種株価指数は50回以上も過去最高値を更新しており、パフォーマンスも好調だ。9月以降も、S&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドの人気は継続するだろう。