資金流入額トップ(6カ月累計)は「グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンド」

 

2021年2~7月の資金流入額トップは、「グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンド」だった。同ファンドは、日本を含む世界の株式の中から社会的解決への寄与が期待される「破壊的イノベーション関連企業」の株式に投資するアクティブファンドである。銘柄選定においてはアーク社の調査力を活用する。2021年4月26日に設定された新規ファンドで、7月末時点における騰落率は以下の通りである。

1カ月 -5.4%
3カ月  0.00%
設定来  -2.15%

 国・地域別では米国が80.4%で最大であるが、中国や台湾、日本などアジア株の組み入れも多い。7月は中国当局による複数セクターへの規制強化を受け、中国株式が急落。また、日本株なども上値が多かったことで、同ファンドのパフォーマンスは冴えなかった。しかし、7月も38,212百万円の資金流入があり、同ファンドへの関心は引き続き高い。8月も旺盛な資金流入が続くかどうかに注目だ。

 

資金流出額トップ(6カ月累計)は「グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)」

2021年2~7月の資金流出額トップは、「グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)」だった。同ファンドは、世界の株式や債券、REIT(不動産投資信託)に投資するバランスファンド。最大の特徴は、先物を利用することによって、純資産残高の3倍程度を運用することだ。同ファンドには「1年決算型」と「隔月分配型」の2つのコースがあり、コロナショック前の2020年2月には、合計の純資産残高が6,763億円に達していた。しかし、コロナショック時に大きな損失をだしたことから資金流出が続き、追加型株式投資信託(ETF除く)の中でも最大の資金流出超となっているのだ。しかし、コロナショック後のパフォーマンスは悪くない。7月末時点における騰落率は、以下の通り。

1カ月  2.65%
3カ月  8.15%
6カ月 13.80%
1年  32.22%

同ファンドの設定日は2018年10月で、設定来の騰落率も58.54%と好調だ。7月末時点の基準価額は15,854円で、すでにコロナショック前の高値を超えている。パフォーマンスは好調だが、一度売りがでると止まらないというのは、現在の国内における投資信託の問題点であろう。