2021年7月の1カ月、ネット証券大手社ではそれぞれ以下のファンドが資金を集めた。

4社共通の傾向:S&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドが人気
S&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドの人気が高い。SBI証券では1位と5位、楽天証券は1位、マネックス証券では2位と5位、auカブコム証券では3位にランクインしている。S&P500種株価指数が米国を代表する株価指数であることに加え、7月には過去最高値を更新するなどパフォーマンスが好調なことが人気の要因だ。また、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は、0.0968%(税込)という業界最低水準の信託報酬を背景に、資金流入が続いている。そして、6月末時点の純資産残高は5,190億円となり、インデックスファンドの中でもトップになっている。8月になってもS&P500種株価指数は堅調な値動きとなっているので、各ネット証券のランキング上位に入る可能性は高いだろう。
全体を見て:ネット証券ではブル型ファンドの人気も高い
ネット証券では、「楽天日本株4.3倍ブル」や「SBI日本株4.3倍ブル」などブル型ファンドの人気が高い。ただ、日本株は4月以降、上値の重い展開が続いている。新型コロナウイルスの感染拡大が続いているからだ。ブル型ファンドは短期で大きくリバウンドしないと、利益がでにくい仕組みとなっている。通常のインデックスファンドに比べて信託報酬などの運用コストがかかるだけでなく、もみあい相場でも基準価額が下がる傾向にあるからだ。ネット証券では信用取引などを利用して短期トレードを積極的にする投資家が多いが、そうではない投資家はブル型ファンドではなく、通常のインデックスファンドに投資するべきだろう。