2021年6月、広島銀行で多くの資金を集めたのは以下のファンドだった。

第1位「投資のソムリエ」の概要
広島銀行の6月販売件数1位は「投資のソムリエ」だった。同ファンドは、国内・先進国・新興国の債券と株式、および国内・先進国のREIT(不動産投資信託)に分散投資するバランスファンドである。2020年3月のコロナショック時でもプラスリターンを確保するなど、「負けない運用」が投資家の支持を集め、2021年4月には純資産残高が5,000億円を突破した。そして、6月末には5,651.5億円まで増えている。2021年上半期(1~6月)の資金流入額は1,791億円となり、国内公募追加型株式投信(ETFを除く)全体で5位となった。高水準の資金流入が続いているので、7月も広島銀行のランキング上位に入る可能性は高いだろう。
全体を見て:ランキング上位には海外株式型ファンドが多い
広島銀行のランキング上位には、海外株式(国際株式)ファンドが多い。6月はS&P500種株価指数やナスダック総合株価指数など米国の主要株価指数が、過去最高値を更新したことも人気の理由の一つだ。これは、投資信託全体の傾向でもある。モーニングスターの集計では、国際株式型の6月の資金流入額は6,581億円となり、12カ月連続の流入超過となった。個別ファンドで見ても、純資金流入額上位25ファンド中、18ファンドが国際株式型となっている。そして、ランキング2位の「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」は、主に高配当利回りの公益株に投資するアクティブファンドである。電力・ガス・水道・通話などの公益企業は、景気の良し悪しに左右されず、収益基盤が相対的に安定しているのが魅力だ。ただ、6月はナスダック総合株価指数が過去最高値を更新するなどグロース(成長)株に資金が向かうなか、公益株などのバリュー株は売られ、同ファンドの6月の騰落率は-1.21%となった。しかし、広島銀行の販売件数ランキングでは2位となっており、基準価額の下落を買いのチャンスとみた投資家が多かったと考えられる。