新NISA開始を機に資産運用を始めた人も多いでしょう。おさらいにはなりますが、この新NISAのポイントは主に4つ

・非課税期間の無期限化
・NISA制度の恒久化
・旧制度では「一般NISA」「つみたてNISA」のどちらか1つ選択が必要
 →新NISAでは「成長投資枠」「つみたて投資枠」の併用が可能に
・非課税保有限度額が大幅にアップ

今回は4点目の「非課税保有限度額」にまつわる、“あるある”な誤解「『つみたて投資枠』では、最大でも600万円までしか、投資できないんですよね?」をひもときます。

そもそもこの誤解はどこから生まれた?

冒頭でもお伝えした通り、新NISAの生涯で投資できる金額の上限(非課税保有限度額)は大幅にアップされ、一人当たり1800万円となりました。

そこで、よく見かけるのが以下の図ではないでしょうか?

上表は金融庁作成の表を参考に作成したものです。

特に注目していただきたいのは、「非課税保有限度額」の欄。「成長投資枠 内数 1200万円」という表記があります。 数字の部分を見て、「新NISAの保有限度額1800万円―成長投資枠1200万円=つみたて投資枠は600万円では?」と直感的に思われるかもしれません。

しかし、結論から言えば、そんなことはありません。

成長投資枠を優先的に使っていけば、その上限は1200万円で、残る600万円の枠でしか、つみたて投資枠は使えません。しかし、金融庁の表でもつみたて投資枠が1800万円全体にまたがっているように、もしつみたて投資枠を優先するのなら、1800万円すべてをつみたて投資枠で使い切ることも可能なのです。

つまり、新NISAの投資上限額の中にさらに制限があるのは成長投資枠のみ、ということです。