2022年4月から、高校家庭科で金融教育が始まりました。しかし、日本人の「金融」や「投資」に関する基礎的なリテラシーには個人差があるのが実情でしょう。しかし、これから誰にとっても資産形成で人生100年時代に備えることが必須になる時代を迎えるにあたり、投資や金融の基礎は身につけておきたいもの。

そんな基本的な知識や理論についてまとめられているのが、北村慶氏の書籍『金融のプロが実はやっている 最もシンプルで賢い投資の結論』です。今回は特別に、第4章「資産運用の科学〜『長期・分散・積立投資』はなぜ勝てるのか?」の一部を公開します。(全4回)

●第1回はこちら

※本稿は北村慶『金融のプロが実はやっている 最もシンプルで賢い投資の結論』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。

長期投資で複利効果を味方につける

長期投資のもう一つの魅力は、「複利効果」を活かせることです。

例えば、資産形成の目的を老後資金のため、として、65歳までに2000万円を作る、という目標を立てたとしましょう。あなたが、今、45歳だとして20年間で2000万円、35歳だとして30年間で2000万円を蓄えるためには、毎月、いくら積み立てる必要があるでしょうか?

定期預金などで積み立てるとして、金利はほぼゼロです。

だとすると、単純計算で、2000万円を20年で貯めるのですから、割り算して年間100万円(月8.3万円余り)を積み立てる必要がある、という計算になります。同様に、30年間で2000万円貯めるとすると、年間66.7万円、月5.6万円を積み立てる必要があります。

一方、資産運用を行う場合はどうでしょうか?

実は、金融庁のホームページにはこの計算を簡単に行う「資産運用シミュレーション」というページがあります(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html)。

このページの「毎月いくら積立てる?」をクリックすると、「積立期間」「想定利回り(年率)」「目標金額」を入れる画面が現れます。「積立期間」は20年あるいは30年、「目標金額」は2000万円だとして、「想定利回り(年率)」はどう入力すれば良いのでしょう?